【事業レポート】いわき市+タウンズビル市国際姉妹都市締結25周年記念事業「ハムレット」関連企画①演劇交流ワークショップ(後編)

2017.2.17 / カテゴリ1


 いわき市は1991年からオーストラリア連邦クイーンズランド州タウンズビル市と国際姉妹都市を締結しています。いわきアリオスでは2009年のグランド・オープンより、"演劇"を通じたタウンズビル市との国際姉妹都市交流を行ってきました。そして、2016年10月には、締結25周年を記念してタウンズビル市の劇団シアターインクを招き、ウィリアム・シェイクスピアの傑作悲劇「ハムレット」を上演しました。タウンズビル市において演劇作品の上演ほか、若手の人材育成に注力している劇団シアターインク。そんなシアターインクの特色ある取組みをここ、いわきの若い世代にも届けられるよう、劇団の滞在期間中には市内の高校生を対象に、2日間にわたる演劇交流ワークショップを開催しました。前半のワークショップにつづき、後半の様子をレポートします。

【事業データ】
〔日時〕2016年10月5日(水)18:00~20:00
       10月6日(木)18:00~20:00
〔会場〕いわきアリオス 本館5階 大リハーサル室
〔講師〕ジョナサン・ブラウン、ジョン・グッドソン、エマ・ランバートン(シアターインク)
〔対象〕演劇部に所属する高校生 54名
〔ワークショップ通訳〕黒野靖子、佐藤りさ子
〔撮影〕白土亮次(*のぞく) 

※「演劇交流ワークショップ(前編)」はこちらをご覧ください。いわき市+タウンズビル市国際姉妹都市締結25周年記念事業「ハムレット」関連企画①演劇交流ワークショップ(前編)

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THEATREiNQ(シアターインク )
 2010年、オーストラリア・クイーンズランド州タウンズビル市を拠点に設立。タウンズビル市唯一のプロの劇団である。年間を通じて、現代劇から古典まで幅広く取り組んでいる。現在、役者と技術・運営スタッフ35名が在籍し、タウンズビル市での活動に加え、ケアンズなど他地域でのツアーを行なっている。また、北クイーンズランドにおいて、若手俳優の育成プログラムを実施している唯一の劇団でもある。ブリッジ・プロジェクトと呼ばれるこのプログラムからは、オーストラリア全土へとその活躍の場を広げる若手を数多く輩出している。2016年には演劇の学校教育プログラムを立ち上げる。全ての人々に質の高い演劇体験を提供することによって地域コミュニティをサポートし、その卓越した業績には定評がある。



 
 いわき市は高校生による演劇活動が盛んな地域。様々なカラーを持つ高校演劇部が日ごろより、切磋琢磨しています。今回のワークショップでは、高校生の皆さんへのヒアリングをもとに、若い世代が担う未来の"演劇"がより豊かに育まれるよう、シアターインクがワークショップ・プログラムを組み立てました。
 前半のワークショップでは、身体を使ったゲーム遊びを体験しました。つづく後半では、ペアやグループワークのなかで共同して様々な課題に取り組み、より相手と関わり持つワークへとつなげていきました。

5.Mirror(ミラー)
 ペアの2人は同一人物。2人の間には鏡があり、鏡に映ったように同じ動きをする。

 このワークの目的は、影の動きをすること。どうしたら相手の影のように動けるのかを身体を使って試しました。どちらか1人がリードして相手を引っ張るのではなく、お互いに同じペースを保ちながら2人の間にある鏡を軸に展開していきます。

■お互いの間にあるのは、長い鏡あるいは、回転することもできる鏡です。アイコンタクトをとりながら、動き出しはゆっくりと。
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■今度は移動する動きを加えていきます。


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■グループに分かれてお互いに見せあいました。相手のグループをしっかりと観察することで批評する目を養い、自分たちのワークに反映させていきます。
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■ジョンが参加者たちに、「何をしていると感じるときが面白くて、面白くなかった、うまくいっていなかったと感じるのはどんなときだったかな?」と問いかけます。


■さらに、隣の人と関わりを持つことで、ダイナミックな表現へとつなげていきます。




■「頭にすでに想像してやるのではなくて、頭をからっぽにして。何が起こるかはそのときにならないとわからない」とジョナサン。参加者の皆さんは全身を使って、その衝動を分かち合えたようでした。お互いの間にある”見えない鏡”を想像力を働かせながらつくり出す過程で一体感が生まれました。
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6.Human Animation(ヒューマン・アニメーション)
 椅子を置いたスペースを舞台に見立て、その向側に観客(残りのワークショップ参加者たち)がいる。
 ①とてもゆっくりとしたスピードで、舞台の行きたいところに行って、静止する。
 ②普通のスピードで、①とは別のところに行く。立っても座っても、寝ていても良い。
 ③速いスピードで、②とは別のところに行く。誰かと関わりを持って、静止する。最後は溶けるようにして床に寝そべる。
 ※皆が同じタイミングで①〜③の位置に到着する。
 ※①〜③で静止した場所では一枚の静止画をつくる。


■静止する場所までの距離を図りながら、床を這っていきます。


■1枚の静止画になりました。椅子を使ったり、立ち位置の奥行きや高低差を出して画に表情をつけていきます。


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■次への移動のサインはないので、お互いに呼吸を合わせながら動き出します。動くときには、正面にいる観客、もしくは舞台上の相手とアイコンタクトをとることがとても重要です。動きに少しずつ変化をつけるだけで、まるでお芝居の1コマを観ているよう。


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 日頃、言葉を用いる演劇を深めている皆さんですが、今回は身体の動きや身体表現を中心にしたワークショップを体験しました。シアターインクのメンバーもこのようなワークショップを作品づくりに取り入れているそうです。国や言語・文化の違いや越えて、タウンズビルの演劇人といわきの高校生が演劇を通じて、濃密な時間を過ごしました。
 最後には、劇団メンバーが公演の成功を祈って本番前にやっているおまじない、「Toi Toi Toi Choppers!(トイ トイ トイ チョパーズ!)で、今後の高校生の皆さんの活躍といわき公演の成功を祈り、ワークショップを締めくくりました。
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■その頃……、「ハムレット」の上演会場となる中劇場では着々と仕込みが進んでいました。高所作業車ジーニーに乗って、照明の灯体の向きを念入りにチェックするのは、劇団メンバーで唯一の技術オペレーター、トーマス・ローチ。公演レポートもお楽しみに!
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