【アリオスペーパー裏話】vol.51 表紙の話 左義長/前編

2017.8.11

 アリオスの広報紙・アリオスペーパーの表紙には、毎回、いわき市の文化・芸術・芸能に携わる方、街を豊かにするきっかけとなる場所・イベントなどに焦点を当て、皆さんにご協力いただきながら、楽しく紙面づくりを行っています。いつも素敵な方々との出会いで大変充実した取材をしているのですが、なかなかご報告ができずにおり……今回は、昨年度(2016年度)にお世話になった皆さんとの取材の裏側を、遅ればせながらレポートしていきます。

アリオスペーパー vol.51の表紙  デザイン:久保木 舞
広報紙 Alios paper vol.51 ダウンロード

撮影:鈴木穣蔵
文:飯田能理子(広報グループ)


昨年2016年の8月、いわき市の南東に位置する小浜海岸で、お盆の時期に行われる盆送り行事・左義長(さぎちょう)が、32年振りに復活しました。昨年の開催前後から、継続した実施を望む地域の方の熱意が実り、今年2017年は8月15日(火)に左義長が実施されるはこびになったそうです。開催に先立ちこのブログでは、昨年9月28日(水)に発行した「アリオスペーパー vol.51」の表紙(地元出身のカメラマン:鈴木穣蔵さん撮影)撮影のため、地域の方の協力を得て行った下見、見学の模様なども含め、小浜海岸で行われる「左義長」について、紹介していきたいと思います。

「左義長」は全国的に、お正月のどんど焼きと同じ扱いで実施される火祭りを指すことが多く、お盆の時期、しかも海岸で開催されるものはほぼないに等しいとのこと。小浜地区の左義長が海岸で実施されるのは、江戸時代、小浜海岸から出発した船が時化により遭難することが多く、その霊を慰めるところからきている、という説もあるそうです。そんな珍しい形式で実施される小浜海岸の左義長は、お盆の終わりにあたる8月16日の夜、長さ15メートル程の竹を海岸線上に建て込み、その先につけた麦藁に火をつけて行うものです。


昭和40年頃までは欠かさず行う年中行事でしたが、昭和59年(1984年)に一度行われて以来、実施されずにいました。昨年復活する契機となったのは、東日本大震災の津波の被害が大きかった小浜・岩間地区のグランドデザイン事業の一環として、「両地区が協力してできるイベントを」「夏の盆送り行事をなんとか復活させよう」と、地域の皆さんが自発的に計画し、第1回:浜料理イベント、第2回:酉小屋に続く第3弾として、左義長の復活が決まり、実施に至りました。

台風が接近する、強風、降ったり止んだりを繰り返す雨の中、無事に開催された2016年の左義長。


大雨が予想されたため、時間より早く開始を決め、若者4〜5名が種火となる竹から左義長に火を灯していきます。


時に強い雨も降っていたこの日、表面の藁は水分を含み火を灯しづらい状態になっていたため、点火の係の方は先輩のアドバイスもあり内側の藁を狙っていました。


乾燥している日の左義長は一瞬で火も落ちてしまうものだそうなのですが、この日は水分を含んだ藁のお陰で火が灯るスピードもかなりゆっくり。32年ぶりの送り火は、地域の皆さんの左義長にかける想いに比例するように、長くじんわりと「見て噛みしめる」時間をつくってくれる“熱い”灯りでした。煙の量も通常より大分多かったようで、舞台でスモークをたいたような幻想的な雰囲気に。それに反して燃えさかる炎の音は勇壮で激しく、取材で訪れた初めての「左義長」ではありましたが、これはかなり味わい深い送り火になったのでは、と感じたものです。


左義長が無事に終わり、同時に開催していた「盆踊り」が再び始まりました

今年はどんな左義長になるのか……今から楽しみですが、実はもう少しだけご紹介したい裏エピソードがありますので、次回のブログでお伝えします。

左義長の開催日程について(いわき市役所のWEBサイトにジャンプします)

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