第7回 フラガールズ甲子園、高校生スタッフ奮闘記(3)〜「号外」奔走篇(下)

2017.8.25

文:長野隆人(いわきアリオス広報グループ)

2017年8月11日(金・祝)にいわきアリオスで開催された「第7回 文部科学大臣杯 全国高等学校フラ選手権 フラガールズ甲子園」では、全国から集まった25校、279名の高校生フラガール(とボーイ)が日頃の成果を披露しました。一方、地元文化部の高校・高専生も様々な準備を重ねて本番を迎えました。ここでは前回に引き続き、フラガールズ甲子園の当日、「新聞」を2号も発行し来場者に配布するという離れ業を達成した生徒たちの活躍を、アリオススタッフの視点からレポートします。

フラガールズタイムス2017号外 開演直前号 フラガールズタイムス審査結果号外
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フラガールズ・タイムス2017 号外 開演直前号
フラガールズ・タイムス2017 号外 審査結果発表号

まず、上の写真が、完成した2号の「号外」。
記事は磐城桜が丘高等学校新聞局、華やかなステージ写真は福島工業高等専門学校写真部の皆さんによるものです。
大会の開演前に配布する、写真左の「号外」は、前日リハーサルの取材記事を掲載して当日の朝までに印刷完了!オモテウラ2面の豪華版です。
終演後に配られた写真右の「審査結果速報 号外」は、当日朝の段階ではまだカゲもカタチもありません。そんな大会当日、8月11日(金・祝)の朝の様子から、振り返ってみましょう。

この日、新聞局、写真部は、午前9時に集合。
新聞局の面々は、まずは10時半の開場に合わせ、印刷された「開演前 号外」の配布を行います。

フラガールズ甲子園高校生スタッフ奮闘記

2014年の第4回、2015年の第5回大会に新聞局員として参加したOBの吉竹勇都(はやと)くんが、刷り上がった「号外」の抱え方、手渡し方を教えます。

このやり方を最初に教えてくれたのは、フラガールズ甲子園で頑張る高校生スタッフに興味を持って取材をしてくださった馬上雅裕(もうえ まさひろ)さんという方でした。長年いわきのスポーツ界や文化シーンを応援するミニコミ紙「朝日 THE HEROES」を発行し、高校生やアリオスの活動についてもいつも情熱的に応援してくださいましたが、昨年春に60代の若さで急逝されました。

フラガールズ甲子園高校生スタッフ奮闘記
(2014年、第4回フラガールズ甲子園で新聞局長の鈴木さんのコメント取りをする馬上雅裕さん)

フラガールズ甲子園高校生スタッフ奮闘記
(開場直前まで配り方の面倒をみてくれていたんですね)

「取材をする人」の宿命とでも申しましょうか。素敵な人たちを追いかけて記録に残す人は、その人自身の仕事ぶりを伝える写真はほとんど残っていないんですよね。もっと、馬上さんの姿をしっかり撮っておけばよかったと思いました。
その分、馬上さんを直接知る新聞局OBが、彼のエピソードを話しながら、後輩たちにその技とスピリットを伝授します。私も、アリオスのオープン前の大変な時期からずっと、温かな記事をいっぱい書いて励ましてくださった馬上さんと、彼の笑顔を思い出して、胸がいっぱいになりました。

フラガールズ甲子園高校生スタッフ奮闘記

「フラガールズ・タイムス」の紙面が桜色なのは、もちろん校名が「桜が丘」だから。
毎年恒例の決めポーズで記念写真を撮ったら、いざ、出陣!

フラガールズ甲子園高校生スタッフ奮闘記

ホールの入口、平中央公園のイベント会場で、声を出しながら配布します。
年を追うごとに「号外」の認知度も上がり、楽しみにしてくださる人も増えてきたようで、部数がどんどん減っていきます。

フラガールズ甲子園高校生スタッフ奮闘記

フラガールズ甲子園高校生スタッフ奮闘記

フラガールズ甲子園高校生スタッフ奮闘記

学校新聞ではなかなか得られない、初対面の一般の方から直接の反応が返ってくる瞬間です。
開演前には、印刷した1,000枚以上を7名ですべて配り切りました!

フラガールズ甲子園高校生スタッフ奮闘記

11時30分。大ホール内では予定通り開会式が始まりました。
その間、新聞局のメンバーは昼食を済ませ、作業の進捗とこのあとの役割分担を確認します。

フラガールズ甲子園高校生スタッフ奮闘記

12時30分、大ホールの競技がスタート。
エントリーナンバー12番までのチームが課題曲のフラを踊り、その後、審査員の入れ替えを経て、13番から25番までのチームが自由曲のタヒチアンを踊ります。ここまでが前半戦です。
新聞局のメンバーは、(1)客席内で観戦し、踊り終えた後の出場者に手応えを取材するチームと、(2)プレスルームで作業を続けるチームに分かれ、仕事を再開します。

フラガールズ甲子園

有力校でも、演舞中に何等かのアクシデントが生じれば、採点が大幅に下がる可能性もあります。それによって記事の内容も変わることは新聞局の先輩方も経験してきたこと。局員たちはプレスルームでWEB中継の映像に目をやりながら感想を言い、「審査結果号外」用の原稿案に見出しを入れたり、原稿にも少し手を入れたりして、記事の精度を上げていきます。

フラガールズ甲子園高校生スタッフ奮闘記

14時。前半の競技が終わり、15分間の休憩に入りました。
25校、すべての出場校が一度出番を終えたので、福島高専写真部のメンバーが猛然とプレスルームに駆け込んできました。

フラガールズ甲子園高校生スタッフ奮闘記

毎年、ハイ・クオリティの記録写真が残されるのはこの方の絶大な指導力があるからこそという、写真部顧問の布施雅彦先生が、膨大な写真の中から凄まじいスピードで各校の「決めポーズ」の写真をセレクト。時間にして約10分もかからなかったと思います。
データを渡すと、すぐさま大ホールに舞い戻っていきました。その写真を確認し、「結果号外」担当のデザイナーで、いつもアリオスペーパーのデザインもお願いしている久保木 舞さんに予め送信しておきます。

写真部は、前日のリハーサルから顧問3人と部員が総出で活動していました。
リハーサルでは、それぞれのポイントで一度撮影しながら、出場校すべての課題曲、自由曲のフォーメーションや、決めポーズが撮れそうなタイミングとアングル、それにチームの核となるダンサーを把握し、緻密な撮影計画を立て、頭に叩き込んでいきます。当日はそれに基づいて、各々が着実に役割を果たしていきます。洗練された組織力のたまものです。

そして福島高専写真部にも、第3回、第4回大会の時には現役生として参加してくれたOBが、当日、札幌から駆けつけてくれ、見事な写真を撮影していました。「街コン」の写真展や「あそび工房」の記録撮影をしてくれたり、高専生のボランティアスタッフを呼び込んでくれた、大恩人のひとりです。

フラガールズ甲子園高校生スタッフ奮闘記

新聞局には前述のOB吉竹くんのほか、進学先から帰省していた堀川くんも大会期間中の3日間、常にプレスルームに待機して細やかなフォローをしてくれたおかげで、新聞づくりの作業が本当にスムーズに流れました。

フラガールズ甲子園高校生スタッフ奮闘記
(2年前、第5回大会の時には2年生だった現OB。この年はOG4名(前列)が応援に来て、それはそれは賑やかでした(笑))

「成長したね! 」なんて上から目線な言葉では語れません。昔も今も、困ったときは必ず助けてくれる、頼もしい「友人」たちに、アリオスは支えてもらっています。

客席には、かつてステージで熱演を繰り広げたOGが、後輩を応援するためにいっぱい来ていました。フラガールズ甲子園は、ステージ上の“主役”だけでなく、新聞や記録写真を担うOBOGにとっても楽しい記憶を携えて帰ってくる場所になっており、先輩風を吹かすでもなく、後輩たちと一緒に作業を楽しんでくれるのが何よりありがたいと感じました。

フラガールズ甲子園高校生スタッフ奮闘記

後半戦に入ると、いつもアリオスの事業レポートなどでお世話になっているジャーナリストの柿沼美佳さんもプレスルームに顔を出してくれました。地元紙の元記者で、6月に市内高校新聞部の技術講習会で講師を務めたこともあって、局員の皆さんとも顔なじみ。今年の「号外」紙面全体について、また個々が書いた記事について、記者の視点から次につながるアドバイスをいただきました。

16時。すべての競技が終了。
審査結果が出るまでの時間が長かったこと。
そして閉会式。
奨励賞の発表に始まり、8位の特別賞から次第に上位へ。
3位、いわき総合高校(第5回最優秀校)、2位、平商業高等学校(前回最優秀校)が発表されると、意外に感じる人が多かったのか、大きな悲鳴とどよめきが起きました。

フラガールズ甲子園高校生スタッフ奮闘記

いったい最優秀賞はどこが獲得するのか……。
WEB中継を、固唾を呑んで見守ります。
発表!
前回まで3年連続で無冠だった「好間高等学校」の名が読み上げられ、いわき勢の1、2、3フィニッシュが確定! 第7回フラガールズ甲子園がクライマックスを迎えたとき、プレスルームの緊張は頂点を越えていました。事前の取材でも、好間高校も優勝候補の一角に噂されていたため、想定した原稿を急いで加筆し、すべての情報を間違いなくデザイナーに送信。あとは、紙面の一刻も早い完成を待つばかりとなりました。校正や、修正のやりとりをしている時間は一切ありません。

今年は、閉会式の時間短縮が図られたため、毎年、大会の象徴的なシーンとして記憶されていた、参加者全員で課題曲「月の夜は」を踊る時間がカットされました。それゆえに閉会式も意外とさらっと終了してしまい、緊張から開放された出場者をよそに、局員たちのドキドキだけが続きます。果たして間に合うのか……。

フラガールズ甲子園高校生スタッフ奮闘記

結果として、閉会式が終了した瞬間は逃しましたが、号外は無事に印刷までこぎつけ、館内で名残惜しそうに大会を振り返っている観客の皆さんや、出場者の皆さんに「結果速報号外」を手渡しすることができました。

フラガールズ甲子園高校生スタッフ奮闘記

フラガールズ甲子園高校生スタッフ奮闘記

受け取った方々が一様に見せる、「え、もうできたの?」というリアクションが何よりの勲章。こうして、準備日から含めると3日間の長丁場を、高校生新聞局員は、無事完走することができました。皆さんおつかれさまでした!

今年もまた、出場校の皆さんや顧問の先生には、大会前や本番前後の貴重な時間を割いて取材にご協力いただきました。また、フラガールズ甲子園実行委員会の皆さんには、有形無形さまざまなかたちで高校生スタッフを応援いただき、「素晴らしいアナウンス!」「すごい号外!」「いい写真!」といった手放しの感想とともに、労をねぎらっていただきました。また、毎年、ムチャクチャなスケジュールで胃が痛くなるのを承知で依頼を引き受けてくださるデザイナーの皆さんや、協力者の皆さんに、改めて御礼を申し上げます。ありがとうございました。

放送、新聞、写真といった高校文化部(私はあえて親しみをこめて“マイナー文化部”と呼んでいます)は、常にスポットライトを浴びる花形の運動部や吹奏楽部などと違って、実力があるところでも毎年入部者が殺到することはありません。校内でも縁の下の力持ち的な役割を果たしながら、部活が維持できるかどうかの人数で一生懸命活動を続けています。前年できたことが、翌年、必ずできるわけではないけれど、フラガールズ甲子園においては顧問の先生、校長先生のご理解とお力添えをいただきながら、5年間、生徒たちが工夫を重ね、活動を続けることができました。そして先輩から後輩にノウハウがリレーされながら、その「記録」が、フラガールズ甲子園の「歴史」として、積み重ねられるようになってきました。「高校生の、高校生による大会」を理念に掲げて始まったこのフラガールズ甲子園が、少しずつその理想に近づいていると思います。


10年後、20年後に第7回フラガールズ甲子園のことを振り返るとき、彼ら/彼女らが残した記事や写真とともにこの熱いドラマが思い出されますように。そしてそのころも、今と同じように高校生たちがフラガールズ甲子園の歴史の記録者として活躍していることを願って、この長い記事を終えたいと思います。
マハロ。
フラガールズ甲子園高校生スタッフ奮闘記
フラガールズ甲子園高校生スタッフ奮闘記

◎「磐城桜が丘高等学校新聞局 追跡フラガールズ甲子園2017記事」◎
◆(1)福島県立湯本高等学校 篇(文:2年 蛭田 文(局長))
◆(2)東日本国際大学附属昌平高等学校篇(文:2年 菅野佑二朗)
◆(3)福島県磐城第一高等学校篇(文:2年 佐藤 睦)
◆(4)福島県立平商業高等学校篇(文:2年 渡邉美南)
◆(5)福島県立好間高等学校 篇(文:2年 鈴木美結)
◆(6)取材現場体験記(文:1年松浦航太、吉田栞)


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