【さきどりアリオス】 ヴィルタス・クヮルテット10年目の挑戦(とりあえず第5弾まで)

2018.4.6

ヴィルタス・クヮルテット画像

文:長野隆人(広報グループ)

皆さんこんにちは。
今年はいわきアリオス10周年ということで、あれこれ(いい意味で)お騒がせな1年になればと思います。どうぞよろしくお願いします。

今日はもうひとつ「10周年」のお知らせ。
いわきアリオスを拠点にしている弦楽四重奏団、ヴィルタス・クヮルテットがこの秋、結成10周年を迎えます。どうもありがとうございます。

ヴィルタス・クヮルテット
(2009年8月、旧小川小学校 戸渡分校での「おでかけアリオス」撮影:鈴木穣蔵)

リーダーは、日本を代表するチェリストで宮城県仙台市出身の丸山泰雄さん。第一ヴァイオリンは茨城県水戸市出身の三上亮さん。まさに常磐線上の中間地点「いわき」で落ち合うのが必然の人選でした。(いえ、あくまで素晴らしい奏者にお声がけした結果なんですが)。加えて先々の全国展開を見据えて起用された、大阪生まれのヴィオラ奏者・馬渕昌子さん(もちろんこちらも実力を最優先にした結果なんですが)。この3人は結成以来不動のメンバーです。

ヴィルタス・クヮルテット画像10年目の今年、8年余り活動を共にしてきたヴァイオリニスト水谷晃さんに代わって、新メンバーの戸原 直(とはら なお)さん(写真左)を迎えました。
24歳。「藝大フィルハーモニア」という、東京藝大のお偉い先生方が名を連ねるオーケストラのコンサートマスターを務めています。そして、デカい! しかもヴァイオリンだけでなく、ヴィオラ奏者としても頻繁に演奏会に出演しているという“二刀流”です。
そう、そんなメジャー級の可能性を秘めた戸原さんを、これからクラシック界の大谷翔平として売り出していく所存です(悪どい広報担当談)。ふふふ。

「ヴィルタス(Virtus)」というラテン語には「美徳・至高の」という意味があり、クラシック界でいう「ヴィルトゥオーゾ」(超絶技巧の名手)の語源と言われています。そこでヴィルタス・クヮルテットも長らく「すご腕の4人」というキャッチフレーズとともに売り出してきました。斬れ者、サムライ的な感じでしょうか。

加えてこのたびの“二刀流”の加入。そのままいくと「すご腕」路線にさらに拍車がかかりそう? だったので、10周年を機に、「すご腕」感は残しつつ、もっと多くの皆さんにヴィルタスに親しんでいただこうと、これまでにない路線も打ち出してまいります。

ヴィルタス・アー写
その第1弾が、
新たに撮り直した公式アーティスト写真(笑)


メンバー、にこやかに微笑んでおります。
いや、かなり笑っております。
実は撮影中、カメラマンの後ろで、丸山さんにムチャ振りされた広報担当が必死で踊っているのですが、ふだんのメンバーはこのように冗談ばかり言っていて、この写真のような雰囲気こそがヴィルタスなんです。
以後、こちらでお見知り置きを。

つづいて第2弾。
「ヴィルタス・クヮルテット」公式twitterを開設しました。

@Virtus_Quartet

ヴィルタス画像

ヴィルタス・クヮルテットの最新情報や、リハーサル風景、ヴィルタス以外でメンバーが出演する演奏会の情報や、リーダー丸山さんの「弦楽四重奏を楽しむコツ(bot風)」のコンテンツをお楽しみいただく予定です。フォローよろしくお願いします。

第3弾
メンバー、キッズルーム・シアターに本格進出。

4月21日(土)アリオス キッズルーム・シアター#26

ヴィルタス・クヮルテット43年前の2015年3月に一度、ヴァイオリンの三上亮さんに出演いただいた「アリオス キッズルーム・シアター」

丸山さんはじめ、ヴィルタスのメンバーは、ただ自分たちが演奏する音楽のことだけを考えているのでなく、皆さんにもっと音楽を身近に感じてもらうために何をしたらいいのか、また音楽ができることって何だろう、ということを本気で考えています。だから丸山さんは震災後、強い信念を持っていわき市内のあちこちで訪問演奏をしていました。音楽を通じて、もっといろんな人との出会いをしたいというのが、ヴィルタスの強い希望でもあります。
ということで、これから音楽小ホールでの「定期演奏会」のほかにも、いろんな方と出会える場所に、飛び出していこうと企んでいます。

その一環として、2018年4月21日(土)の「アリオス キッズルーム・シアター」に、ヴィオラの馬渕昌子さんと、チェロの丸山泰雄さんが登場します。予約開始は4月8日(日)10時から、アリオスチケットセンター0246-22-5800です。

0歳から6歳までの未就学児とその保護者を対象に、いつも受付開始早々に満員になってしまうこの企画。
先日、演奏会の打上げの席で「アリオスのキッズルームという小さな空間で、日本を代表する弦楽器奏者の本気の音のシャワーを、子どもたちに浴びてもらいたいんですよ。丸山さんや馬渕さんの人柄が伝わるようなトークもあるといいんですよねー」とお願いしたら、丸山さん、馬渕さんも二つ返事でOKしてくださいました。

その後、丸山さんはとんでもないことを口走ります。
「じゃあ、キッズルーム公演の前日に『いわき室内楽協会』の演奏会にも出演するジェラール・プーレさんにも出てもらえないかきいてみよう」
ということで、なんと今回、フランス・ヴァイオリン界の至宝ともいうべき巨匠、ジェラール・プーレさんがキッズルーム・シアターに登場してくださることになったのです!

ジェラール・プーレさんプーレさんは、今年80歳。ソリストとして活躍する一方で、長らくパリ音楽院の教授を務め、世界的なコンクールの審査員や審査委員長を歴任してきた方です。現在は、半年間は日本で暮らし、東京藝術大学、昭和音楽大学の客員教授を務めるなど、後進の育成にも力を注いでいます。

音楽家にもし血統書があったとしたら、プーレさんはもう正統派の中の正統派。プーレさんのお父さん、ガストン・プーレさんはなんと、「月の光」や「亜麻色の髪の乙女」などで知られる作曲家ドビュッシーが亡くなる前年の1917年に、彼のヴァイオリン・ソナタを作曲者自身のピアノで初演しているというレジェンドなのです。4月20日(金)のいわき室内楽協会のコンサートでは、息子のジェラールさんが、今年没後100年を迎えたそのドビュッシーのヴァイオリン・ソナタを演奏することになっています。

そんなプーレさんに、丸山さんがキッズルーム・シアター出演のお願いをしたところ、
「その企画は素晴らしい! そうだ、ドビュッシーのゴリウォーグのケークウォーク(『子どもの領分』より)を弾こう。あとヤスオ、一緒にラヴェルの(ヴァイオリンとチェロの)二重奏曲の最終楽章を弾こうじゃないか? あれは大人よりむしろ子どもたちのほうがすんなり受け入れて楽しめると思うよ!」と、とてもやる気満々で話しておられたということです。もうありがたいやら、おそれおおいやら……。

当日は丸山さんと馬渕さんの演奏に加えて、プーレさん、ピアノの川島余里さんの演奏で、フランスから吹く、大いなる音楽の風を感じていただきたいと思います。そしてその演奏を通して、丸山さんやプーレさんのような一流のミュージシャンが、音楽の力を信じて本気で「未来」をつくっていこうとしている、その心意気を感じていただきたいのです。

第4弾
「おでかけアリオス」@草野心平記念文学館に出演!

5月25日(金)おでかけアリオス@草野心平記念文学館
 ヴィルタス・クヮルテット with 白石光隆(ピアノ)「ふるさと小川」を弾く


ヴィルタス・クヮルテット画像
ヴィルタス・クヮルテットとして、2009年8月以来、実に9年ぶりとなる草野心平記念文学館での「おでかけアリオス」に出演します。
今回、4月から同館で始まる展示「草野心平の校歌展」に絡んで、いわきアリオスと草野心平記念文学館がタッグを組み、心平と小川にちなんだメニューでお贈りします。この日は、ピアニストの白石光隆さんの出演も決まりました。
今回の見どころ、
・「かえる」や「白鳥」といった、「小川の四季」を思い起こさせるようなクラシック音楽の名曲をお楽しみいただく。
・「草野心平の校歌」展に合わせ、心平が作詩した地元「小川中学校」の校歌を、弦楽四重奏曲ヴァージョンで演奏。編曲は、地元いわき市出身で、磐城高校から東京藝術大学音楽学部作曲科を卒業した作曲家の卵、富岡篤志くんに依頼。
・心平記念文学館の次の展示、「宮沢賢治展」にちなんだ曲も演奏。
という感じになっています。

この公演については、お話ししたいエピソードが満載ですが、おいおいこのブログでご紹介します。
入場無料のこの公演の受付は、2018年4月7日(土)10時から、アリオスチケットセンター0246-22-5800で受け付けます。お電話、お待ちしております。


第5弾
 エリック・カール展関連企画「絵本の世界」を弾く コンサートに出演!

5月26日(土)いわきアリオス×いわき市立美術館=未来をつくるいわきの子どもたちへ
 ヴィルタス・クヮルテット「絵本の世界」を弾く


ヴィルタス・クヮルテットgazou 草野心平記念文学館とのコンサートの翌日、2018年5月26日(土)は、いわき市文化センター大ホールで「ヴィルタス・クヮルテット『絵本の世界』を弾く」のコンサートを開催します。いわきアリオスのお隣、いわき市立美術館で4月14日(土)に開幕する「エリック・カール展 The Art of Eric Carle」の関連企画として、絵本のなかで描かれている「動物」と「音楽」の素敵な関係を、イラストの投影を交えながらお楽しみいただく企画です。
こちらも、ヴィルタスのメンバーと、ピアニストの白石光隆さんもやる気満々で、弦楽四重奏作品のほか、メンバーそれぞれのテクニックがわかる名曲やトーク満載の2時間になる予定です。
いずれ機会を改めて、見どころ・聴きどころを紹介します。
こちらはチケット発売中です。美術館のチケットと一緒に購入するとお得なセット券もあります。
ぜひ、お楽しみください。

ということで、ヴィルタス・クヮルテットの新たな取り組み、10周年イヤーなのでこのあとも調子に乗って第10弾くらいまでは発表できればと考えています。

そして、いま思い出しました。第1弾の前に今年すでに始まっていたこと。それは、足掛け10年かけて、いわきでベートーヴェンの弦楽四重奏曲全16曲を“完奏”し、今年1月の定期演奏会から、新たに、20世紀のソ連で活躍した作曲家ショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲(全15曲)への挑戦が始ったということです。今年10月20日(土)の定期演奏会でも第3番を取り上げます。時間をかけて、長い道を歩んでいきます。すみません。これを「第0弾」とさせていただきます。

弦楽四重奏というジャンルは、1人1人の奏者が超一流でも、「4人」として一つの生き物のようになって演奏しないと本当の本当の魅力が伝わらない分野です。なので、日本を代表するこんな「すご腕」のメンバーでも、1曲の弦楽四重奏曲を仕上げるのに、何十時間も地道な練習を重ねることがよくあるのです(このへんのエピソードも、おいおいお伝えできればと思います)。

そうやって10年間、手間暇かけて積み上げ、つねにチャレンジを続けながら磨き上げてきたヴィルタスの音楽は、掛け値なしに素晴らしい。「この曲知っている/知らない」というレベルを超え、音そのものが輝きに満ち、聴くと元気と勇気が湧いてきます。そこに、勉強熱心で柔軟な戸原さんのフレッシュな魅力が加わった「新生ヴィルタス・クヮルテット」。彼らの演奏を、これから、いろんなところで、いろんなシチュエーションで、皆さんと分かち合いたいと思っています。
どうぞ応援よろしくお願いします!

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